オリジナルグルメ珈琲で、地元の魅力を元気にする企業
同社は、「感謝の心、感動の心をいつまでも、ふるさと山口の魅力を掘り起こし、地元の笑顔と元気をつくる。」を企業理念として、山口県のオリジナル商品の卸・小売をする企業である。
生活雑貨や衣料品の小売を目的に1983年(昭和58年)に会社を設立し、現在でも山口県内3箇所のショッピングセンターで「地球文化屋」という代行ショップを営業している。2006年(平成18年)に、「ふるさと珈琲」の登録権を軸にワンランク上の珈琲を開発、愛郷心と味で消費者ニーズをとらえるオリジナル商品に仕上げ、卸売りを主力に展開している。澄村佳德社長
ふるさと珈琲シリーズ
「ふるさと珈琲」は、希少価値のある高品質なアラビカ種の生豆を使用し、直下型焙煎機(30kgロースター)で焙煎職人が丹精込めて焼き上げた珈琲豆でシティロースト(中深煎り)。日本人の好みに合うように酸味、苦味をバランスよく仕上げた。
商品ラインアップとして、『たまげた』や『ようおいでました』などの山口のなつかしい方言をパッケージに入れた「山口ふるさと珈琲」、『高杉晋作』や『伊藤博文』『吉田松陰』など山口が誇る偉人の名前を入れた「山口の偉人シリーズ」、また、季節商品として家庭でも手軽に味わえる本格ダッチコーヒーの「水出しアイス珈琲」などである。この「山口ふるさと珈琲」は、周南市のものづくりブランドに認定されている。
しかし、方言や偉人による付加価値だけでの展開は、珈琲自体にオリジナル性がなかったため、広く認知されることはなかった。ふるさと珈琲
バターブレンド珈琲の開発・販売
2011年に山口県で国体が開催されるのを機に、山口県内の地域資源を生かした味で勝負する個性的なオリジナル商品の開発を試みた。まず、山口県を代表する「夏みかん」を考え研究したが、酸味と珈琲は全く合わなかった。フレーバー系の開発を行おうと思ったが、これも地域資源が見当たらなかった。
その後、知人からベトナムにバターブレンド珈琲があるとヒントをもらい、早速バターブレンド珈琲という個性的なオリジナル商品の開発に取り組んだ。使用するバターは山口市阿東徳佐にある船方農場の手作りバターで、唯一の山口県産であった。珈琲豆を焙煎した直後にこのバターと混ぜ、珈琲豆に浸み込ませてコーティングする。それを4~5日間寝かせて出来上がる。普通、珈琲にバターを入れると油分が浮いてくるが、バターを浸み込ませコーティングすると油分が浮くことなく、とてもまろやかな仕上がりの珈琲となった。船方農場
バターブレンド珈琲
愛郷心がいっぱい
「素晴らしい歴史あるふるさとに住みながら、ふるさとの良さや魅力に気付かず、田舎は都会より何か劣っていると思いこんでしまっているのです。 私たちが、ふるさとの歴史や史跡に興味を持ち、ふるさとの良さや先人の偉大さに気付く事が、ふるさと自慢、愛郷心に繋がるものになり、地方にも活気が出で優しさあふれる元気な町になれると思うのです。」と澄村社長は話す。
現在も卸売りを中心にしながら、その愛郷心を広く知ってもらうため、商品の販売もしているホームページもあり、今後、全国展開を視野に入れている。店舗のディスプレイ